更年期に血圧が上昇する原因と下げる為に工夫できること

若いうちは貧血気味の女性が多く、実際データとしても貧血の男女比は10:1と女性の方が圧倒的に多いのも事実。
そんな経験もあって、若いころは低血圧で悩まされていたのに・・・と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、

 

実は貧血と低血圧には全く何の関係もありません。

 

しかし、痩せ型の若い女性に低血圧が多いのもまた事実。ですから、若いうちに血圧異常を気にする女性はほとんどいなかったはずです。

 

これが更年期に差し掛かると全く話しは別になります。
参考リンク:身体状況調査の結果

 

こちらは厚生労働省による国民健康・栄養調査報告ですが、第28表の血圧の状況を見てみると、いわゆる更年期と呼ばれる50歳の前後10年間に当たる年齢における数値が跳ねあがっているのが良くわかります。

 

軽症高血圧のデータにおいても、30-39歳のレンジの割合が2.6%であるのに対し、40-49歳のレンジでは13.3%になります。

 

50-59歳のレンジになるとさらに上昇し23.9%になります。高血圧予備軍とされる正常高値血圧の群を足すと、40-49歳のレンジで約3割、50-59歳のレンジでは5割以上があてはまることになります。

 

このような40歳以降に急増する女性の高血圧は「更年期高血圧」と呼ばれています。

 

更年期高血圧の原因

更年期の症状は、女性ホルモンのバランスの乱れに起因し、更年期高血圧も例外ではありません。ホットフラッシュのページでも解説していますがこちらでも簡単に説明すると、卵巣機能が低下することにより女性ホルモンであるエストロゲンの分泌力が弱まるのが更年期の特徴的な身体の変化です。しかし脳は、エストロゲンの分泌が減っていることに対して、もっと分泌を促すような指令を出します。この指令は視床下部送られますが、ホルモン分泌のバランスを物理的に解消することが不可能なため、ひいては自律神経である交感神経と副交感神経のバランスもおかしくなります。

 

ではなぜ自律神経の乱れが高血圧を引き起こすのでしょうか。まず、血圧、心拍、血管の拡張・収縮は交感神経と副交感神経の2重支配を受けていることを理解する必要があります。
交感神経優位の状態で血圧は上がり、心拍は早くなり、血管は収縮します。
副交感神経が優位の状態では、血圧は下がり、心拍は遅くなり、血管は弛緩します。

 

交感神経は緊張状態やストレスを受けた時に心身を活発にする神経であり、更年期においては自律神経が乱れ交感神経が活発になり過ぎると考えられています。

他の症状を併発する場合が多い

更年期高血圧という名前が付いているからと言って、いわゆる高血圧症と特別な違いがあるわけではありません。

 

収縮期血圧(上)140以上、拡張期血圧(下)が90以下の場合が高血圧に当たります。

 

ちなみに、先ほど話しに出た正常高値血圧ですが、収縮期血圧(上)が130〜139、拡張期血圧(下)が85〜89ですので、血圧を測ってみてこの辺りにある場合は高血圧予備軍に当たりますので注意が必要です。

 

一般的な高血圧症と更年期高血圧が異なるのは、他の症状を併発する場合が多いことです。代表的な症状はホットフラッシュをはじめとするほてりやのぼせ、多汗、頭痛、めまい、動悸、息切れなどです。しかし、そもそも高血圧が更年期障害に起因しているのか生活習慣病をはじめとする他の病気に起因しているのかの判断は非常に難しく医師の判断を仰ぐ必要がありますので気になる方はまず病院に掛かることをおすすめします。

 

また、高血圧はストレス、加齢による血管の老化、塩分を摂りすぎるなどの食習慣、喫煙、睡眠不足、運動不足といった様々な要素が絡み合っていますのでどのようにアプローチするかは個人差があります。
ただ、うちの母もそうだったのですがたいていホットフラッシュの症状がでたり頻脈になった時に血圧を計ると、やはり血圧が高くなり、症状がおさまると血圧が正常値になったりと、血圧の乱高下があります。何ともないときは正常血圧で更年期の症状が出た時に高血圧になるのは特徴的と言えます。

 

自分で気を付けたい血圧を下げる為の工夫

更年期高血圧だからと言って、すべてが自律神経の乱れにより生じているわけではありません。何よりも生活習慣を見直さず放置しておくと慢性の高血圧症になりかねません。

 

男性、女性共に50歳を過ぎるころには半数以上の方が高血圧を意識せざるを得ないのがデータからもわかります。60代、70代に高血圧で悩まされることのないよう今のうちから見直していきましょう。

食生活を見直す

高血圧の診断を受けた場合、まず間違いなくお医者さんから生活指導が入ります。そのうちの一つが食生活です。現代人の食生活は慢性的な塩分過多であり、食生活の見直しではまず塩分を摂り過ぎないようにする工夫が必要です。
参考リンク:さぁ、減塩!(日本高血圧学会)

 

上のページは日本高血圧学会の減塩に関する取り組みがまとめられているページなのですが、日本高血圧学会が掲げる食塩摂取量は1日6g未満ですが、現状の日本人の平均食塩摂取量は2012年のデータでも男性で11.3g、女性で9.6gあります。

 

先ほどの1日6g未満という数値は、高血圧の患者さんに対して減塩の試験をして「確実に血圧が下がった」値を参考にして作られていますので、本当に気を付けるならば目安として確実な数値です。

 

参考リンク:減塩のコツと塩分の多い食品・料理
こちらの表はとても分かりやすいですね。例えばカップラーメン1個で5.5g、天丼で4.1gなど。

 

野菜を多く摂ることを意識し、濃い味付けを避け、ポテトチップスやスナック菓子の間食を避けるだけでもかなり塩分摂取量は変わりそうです。例えば、腎臓病食の塩分制限の場合でも一日の塩分摂取量上限は6gまで、3〜6gに抑えるのが理想的とされています。

血圧、体重などの数字を把握する

血圧や体重を毎日計っている方は少ないかと思います。しかし、自分の身体の数字を知っておくことは極めて重要ですし、毎日計ることによって気を付けることもできるし、変化に気付くこともできます。朝晩の血圧と体重測定、更年期高血圧かも?と思う症状が出た時にも血圧を測り、他の症状が出た場合はその症状も記録しておきましょう。

 

病院に掛かっていない方も、きちんと記録を残しておくことでお医者さんに正確に症状を伝えることが出来ますし、適切な診断と治療に繋がります。

運動習慣をつける。睡眠不足に注意

生活指導において運動不足も指摘されるポイントです。肥満を回避するだけでなく、適度な運動は血圧を下げることにもつながります。肥満は万病のもとですので、食事と運動の両軸からアプローチする必要があり、筋トレやウォーキングの習慣を付けることが出来れば理想的です。
また睡眠不足になると血圧が上がる為、睡眠不足の状態で日中活動するような状態や、慢性的な睡眠不足は避けたい所。しかし、更年期障害では不眠も悩まされるポイントの一つですので難しいところです。睡眠不足で活動することはストレスにもなりますし、ストレスを溜めこむことは自律神経のバランスを乱す大きな原因になりますので生活習慣の中でストレスを解消する工夫をすることも大変大切です。