生理不順から脳腫瘍が見つかる!?下垂体と生理の繋がり

一般に正常な生理の周期は、25〜38日周期です。生理不順の原因の一つであるストレスは、女性ホルモンのアンバランスを招くことで生理不順の原因となります。

生命維持が何よりも最優先すべきことなので、ストレスや栄養障害など危機的状況に陥った際には、まず命に直接かかわらない部分から切り離していきます。

生理はなくても命にはかかわらない。排卵に関するホルモン分泌は最優先事項ではないので、何かあると機能がストップし、生理不順が起こります。

脳下垂体からのホルモンの指令を受けることで排卵が促され生理が開始されます。

視床下部、脳下垂体、卵巣の神経伝達経路のどこかにトラブルがある場合、この働きがスムーズにいかなくなり、生理の周期が乱れて生理不順になることがあります。

ホルモンの総司令部である脳下垂体に腫瘍ができることで生理不順の原因となることがあるのです。

脳下垂体とはどんな働きをする器官?

脳下垂体は、頭蓋内の中央に位置する間脳にある多数のホルモン(成長ホルモン、黄体形成ホルモン、性腺刺激ホルモン、乳腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、男性の精子形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、間細胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど)を分泌する内分泌器官です。

間脳は脳下垂体の他に、視床、視床上部、視床下部、視床後部が存在し、脳下垂体は主に自律神経の働きを調節する役割を持っています

脳下垂体から分泌されたホルモンは素早く血流によって全身に運ばれ重要な働きをします。

視床下部から送られてきた信号を受け取った脳下垂体は、今度はその信号を黄体化ホルモンや卵胞刺激ホルモンとして卵巣に伝達します。

生理が来るのはこの働きがあるためで、身体の様々な臓器や器官を正常に機能させるために休みなく働いているホルモン分泌の総司令部といった器官なのです。

この脳下垂体の前葉から、妊娠中に乳腺の発達を促し母乳を分泌させる乳腺刺激ホルモンであるプロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどが分泌されます。

生理不順と脳下垂体腫瘍の意外な関係

生理不順と脳腫瘍。一見この2つは関係性が全く無さそうに見えますよね?

しかし、生理不順で受診して、脳下垂体に腫瘍が見つかるケースはそれほど珍しくはないのです。

脳下垂体腫瘍は腫瘍のできる場所によって症状が違ってきます。

脳下垂体自体が指先ほどの極小さな器官で、そこに腫瘍ができると妊娠しているわけでもないのにプロラクチンという妊娠出産時に分泌されるホルモンが検出されるようになることで診断の決め手になります。MRIと血液検査で診断されます。

生理は脳下垂体、視床下部、卵巣といった繊細な器官の連携で起きるため、ストレスに晒されることで正常に機能できなくなると生理周期が乱れてしまうのです。

生理不順の原因はストレスだけではなく、ダイエット、運動、食事、睡眠といった生活習慣も大きく関係し、また婦人科系の卵巣や子宮に病気がある場合、下垂体機能異常、甲状腺異常、薬の副作用が原因で生理不順になることもあるため、婦人科を受診して原因を突き止めることも大切になります。

脳下垂体腫瘍、脳下垂体線種とは?

脳下垂体腺腫(アデノーマ)はどの年代でも発症しますが、比較的若年の女性に多く発症します。

脳腫瘍のうち約15〜20%が脳下垂体腺腫だと言われています。

脳下垂体に腫瘍ができると、症状は過剰に放出するホルモンの種類によって違ってきます。特にホルモンを作らない非機能性腺腫、乳汁分泌ホルモン産生腺腫、成長ホルモン産生腺腫、副腎皮質ホルモン産生腺腫、他ホルモン産生腺腫があります。

脳下垂体腺腫の主な原因はわかっていませんが、脳腫瘍の中でも比較的よくみられる腫瘍であり、良性腫瘍で転移しないこと、手術などの治療によって完治すること、手術後ホルモンの数値が正常になれば妊娠や出産も可能となります。

生理不順を放っておかずに不安がある場合、2〜3か月待っても生理が来ない場合早めに受診すること、早期発見が何よりも大事です。

女性ホルモンにダイレクトにかかわる器官はストレスに弱いので、溜め込まないでリラックスして生活する工夫が大切になります。

下垂体腫瘍の症状とは?

ホルモン産生腫瘍では、多く産生されるホルモンで症状はかわってきます。

プロラクチン産生腫瘍の場合、女性の生理不順や無月経、妊娠していないにもかかわらず乳汁が出るなど、また排卵障害の原因にもなるため、不妊症では血液検査でプロラクチンの数値が調べられます。男性の場合はインポテンツや性欲低下の症状が見られます。

成長ホルモン産生腫瘍の場合、子供の場合には身長や手足が伸び、巨人症と呼ばれています。

成人の場合には手足の先端、唇、舌、額、下顎、鼻などが肥大するために先端巨大症と呼ばれています。高血圧や糖尿病などの成人病が引き起こされることもあります。

副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍の場合、クッシング病とも呼ばれています。

比較的珍しいのですが、若年から中年の女性に多く、身体の中心部分に贅肉がついて肥える(中心性肥満)、高血圧、糖尿病、精神症状などの症状が見られます。

その他の症状として、ニキビ、体毛が濃くなったり、下腹部などに現れる青紫色の皮膚線条、骨粗鬆症などの症状がみられることもあります

非ホルモン産生腫瘍の場合は、ホルモンが産生されないため腫瘍が大きくなり、腫瘍のできた周囲の組織や神経などを圧迫してくるために生じる症状が現れます。

代表的な症状として、外側の視野が見えにくくなってくる視野異常などです。