生理不順の種類|無月経≠無排卵だと知っていましたか?

まずはじめにおさらいとして「月経周期」とは、「前回の月経が始まった日から次回の月経が始まる前日までの期間(日数)のこと」を指します。そして、前回の月経開始日から25日〜38日間の間に生理が始まれば正しい周期で生理が来ていることになります。

女性の中には必ず生理は1ヵ月(31日)以内におこるものだと勘違いをし、実際は正常な周期の範囲内で前後している状態でも月経不順と捉えて心配をしてしまう方がいますが、実は38日間の間であれば正常な生理周期となります。

生理不順の正しい言葉の定義の中には上記のような「周期」に加え「生理が継続する期間に異常が出ている状態」も含まれています。生理が8日以上終わらない場合や2日で終わってしまう場合なども異常な状態と認識してください。

それぞれ名称がつけられていますので以下にまとめてみます。
生理不順と認識すべき「サイクル」と「月経期間」と「出血量」
「生理のサイクルのトラブル」
稀発月経 生理のサイクルが39日間以上空いてしまう状態。毎回このような長いサイクルの場合や基礎体温の高温期がない場合は、一度専門的な診断を受けることをおすすめします。
頻発月経 生理のサイクルが24日間以内で始まってしまう状態。稀発月経と同じく継続的にこのサイクルの場合は、子宮や卵巣に異常がでている可能性があります。
「生理の継続期間のトラブル」
過短月経 月経が2日以内で終わってしまう状態。定期的にこの症状が続く場合、無排卵月経や子宮の発育不全や甲状腺の機能に異常がでていることも考えられます。
過長月経 月経が8日以上続く状態。視床下部や下垂体、卵巣などの期間にトラブルが出ている可能性があります。
「生理の出血量のトラブル」
過小月経 経血がナプキンの表面にわずかにつく程度の極端に経血量が少ない状態。上記の過短月経と同時に現れることが多く、頻発する場合無排卵月経の可能性があります。
過多月経 貧血症状が出るほどの出血量、多量のレバー状の血の塊が頻発に出る状態。子宮筋腫子宮内膜症子宮がんの可能性も考えられます。

無月経と無排卵は別物!

実は、ほとんどの方が勘違いをしており私も勘違いしていた時期がありますが「無排卵=無月経」ではありません。

「月経」という言葉の意味は、人間の女性や霊長類に周期的に起こる「生理的な出血現象」のことを指します。

非常に稀なケースですが、「排卵性無月経」という症状もあります。言葉の意味するそのままですが、排卵はあるのに月経血が流れないという症状を引き起こします。

卵巣機能自体に問題はないため性器の発達や第二次性徴(思春期になり男女差を示す特徴が出てくる変化のこと)は自然的に発生します。

子宮などの部位において、先天性な解剖学的異常(死には直結しないが放置しておくと危険な異常)が起きることで、月経血の流れを物理的に遮断してしまい月経血が膣内に貯留してしまう病気(膣留血症)なども生理的な出血が現れないため典型的な「排卵性無月経」と言えます。

この言葉の意味を理解しておくと近年増加している「無排卵性月経(正しい医学的定義では、「無排卵周期症」と呼ばれます)」の意味もわかりやすく捉えることができます。
※「排卵」がないのに「月経(生理的出血)」がある状態と意味ですね!

無月経とよばれる状態

妊娠をした覚えもないのに3ヶ月以上生理が来ないというケースがあります。この状態を「無月経」と呼び、初潮がすでに来ているにも関わらず生理が止まってしまうことを「続発性無月経」と呼びます。

日本人の平均的な初経年齢は、12歳〜13歳ですが妊娠もしていないのに初潮がない場合は「原発性無月経」と呼ばれます。更に、15歳を過ぎても、乳房や陰毛の発育などの2次性徴が見られない場合も原発性無月経の可能性があります。

来るはずの初潮が来ない原発性無月経は、先天的な染色体異常(ターナー症候群:通常ある2本あるX染色体が1本しかない)や先天的な子宮異常、卵管異常が大きな要因であると言われています。

しかし、近年では、小学生から化粧を始めたりダイエットに取り組むなどの「美意識の低年齢化」の傾向が見られ、過度なダイエットをこの時期から行うことで原発性無月経様の症状が現れる例も少なくありません。先天性な異常が見られない場合は、完治をすることは可能ですが本来の原発性無月経は完治するのが非常に難しいと言われています。

初潮を経験した後に3ヶ月以上生理が来ない「続発性無月経」は、脳の下垂体や視床下部といった女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌を促す役割を持つ器官に異常が起こることが要因となります。

更に、原因を掘り下げてみると人間関係や環境の変化、恋人との離別や家族との死別など心に大きなストレスがかかると言った「心因的原因」であることが多く、心に強くかかる負荷が起因となり自律神経が乱れることで下垂体や視床下部が体に与える指令に不都合が発生し、自らの体が間違った対応をしてしまうことで無月経をはじめとした生理不順の症状が現れてきます。

また、過度なダイエットや過食癖、継続的に激しい運動をした場合やその他にも流産や人工妊娠中絶や甲状線疾患(バセドウ病などの甲状腺機能亢進症や橋本病などの甲状腺機能低下症)やT型・U型問わず糖尿病なども無月経を引き起こす要因になります。

ちなみに、続発性無月経は症状の程度(体の機能の状態)によって「第T度無月経」と「第U度無月経」で分類され第U度無月経の方がより重症化した状態と言えます。
状態の程度による無月経の分類
第T度無月経 ある程度「卵胞(赤ちゃんの卵)の発育」があり女性ホルモン(エストロゲン)の分泌も行われているため、子宮内膜(子宮の中で赤ちゃんのベッドになる膜)の増殖は進んでいますが排卵に問題があり月経がこないという状態
第U度無月経 卵胞自体の発育がほとんど見られず、子宮内膜の反応の反応もないため月経の誘発が困難な状態を言います。
またエストロゲンとプロゲステロンの両方の分泌に異常がある場合もU型の扱いをします。
続発性無月経はあくまでも体が「休眠状態」に入っている状態ですので、しっかり治療や対策を講じれば治すことが可能です。「そのうち元通りになるからいいや」と放置しておくと体が「無月経」の状態を正常状態だと認識してしまい排卵が起こず妊孕性(妊娠のしやすさ)が低下していまいますので注意が必要です。

近年では、低用量ピルの使用によって排卵を意図的に止めるケースが増加していますが、この場合体を無理やり「休眠状態」にして排卵を止めている状態になるため、体を正常な状態に目覚めさせる排卵誘発にも時間がかかります。